目 的
急速な情報化の進展による予測困難な時代に,未来を創る人材を育成するためには,ICTを活用した「主体的・対話的で深い学び」による学びの質の向上が求められている。
徳島県においては,平成28年度,県立学校の普通教室に無線LANを導入するとともに,教員全員にタブレット端末を導入しICT環境の整備を行ってきた。また,令和3年度までに,県立学校の全普通教室に電子黒板システムを常設し,全ての教科等において日常的に活用した授業の実践と,学びの質を向上させる授業改善について実証研究をしているところである。
このことを踏まえ,本事業においては,学びの質を高める授業方法についての実践的研究を行うために,これまで整備してきた環境と連携して,ICTを日常的に活用できる電子黒板システムを実施校の全普通教室へ新設するとともに,その成果を広く普及することを目的とする。
実施期間
決定通知を受けた年度から翌年度末まで
実施校
全ての教科等で日常的に大型提示装置とタブレット端末等のICT機器を活用し,特色ある授業を実践しながら教育成果をあげることを目指している学校を実施校とする。
実施校の選定方法
本事業の令和2年度までの実施校は,応募時に提出された書類をもとにして,徳島県教育委員会が設置する「進化する教室イノベーション事業審査委員会」により審査し,選考を行った。令和3年度は残りの徳島県立学校を実施校とした。
事業内容
1.徳島県教育委員会の整備
徳島県教育委員会は,実施校に対して,次の内容の整備を行う。
実施校における全ての普通教室の黒板前面に,電子黒板システムを常設で設置する。
電子黒板システムは,ホワイトボードとプロジェクターが一体化された構造で,黒板の前面を左右にスライド移動可能なものとする。
ホワイトボードの大きさは,75インチ程度とする。
電子黒板システムには,無線で教員用タブレット端末と接続することが可能である。
2.実施校の取組内容
実施校は,整備する電子黒板システムに加えて,教員用タブレット端末や教育情報ネットワーク等のICT環境を活用して,次の内容について実施する。
・日常的なICT活用授業の実践
全ての教科等で,日常的にICTを活用した授業等を実践し,生徒の理解を深めるためにICTを効果的に活用した「わかる授業」の効果についての検証,並びに効果的なICT活用の計画と実践について研究する。
・アクティブ・ラーニング等の教育活動への活用
アクティブ・ラーニング等の学習方法におけるICTを活用した授業改善について研究,実践し,その効果について検証する。
・ICT活用による特色ある教育活動
実施校の特色を生かした教育活動を,ICT活用により実践し,その成果について検証する。
・教員の実践的なICT活用指導力の向上
日常的にICTを活用した授業実践が,教員の実践的なICT活用指導力に与える効果について検証する。
・ICT活用による学習指導案の作成
全ての教科等で,ICTを効果的に活用した授業実践に関する学習指導案を作成する。
・研究授業の実施
実施校において,ICTの効果的活用に関する研究授業を実施し,教員が相互にICT活用指導力の向上に向け連携を図る。
事業成果の普及
・公開授業の実施
実施校は,本事業で得られた成果を発表する機会を設け,ICT活用に関する授業実践等に関する公開授業を実施して,他校へ普及を図ること。なお,公開授業は各年度ごとに1回以上実施することとする。
・成果報告会での報告
実施校は, 徳島県教育委員会が実施する報告会において成果報告を行うこと。